龍生(47)176cm / 68kg
大宮 萬天堂
埼玉県(出張性感マッサージ)
08/17 11:38
サイレンが鳴る
禁断の実を食べた者は
自由を失い
永遠に同じループを繰り返すという
──現実での僕は
会社員を辞め、自分にしか出来ないことを探していた
誰でも出来ることを選べば
また組織という渦に飲み込まれる
試行錯誤の中で
唯一無二の形に近づきつつあった
ある日、取引先の偉い人から
「成功者が集まるコミュニティ」に誘われた
数千人のメンバーがいるという
右を向けと言われれば、右を向く世界
会社と何が違うのか──
そう思った時
どこからともなくサイレンが鳴った気がした
帰り道
道端に燃えるように咲いた赤い花
その花びらを一枚
ポケットに忍ばせた
──翌日
偉い人からの電話
「参加しなければ、取引は難しい」
禁断の実を差し出されているのだと思った
その瞬間、再びサイレンが響いた
身体の力が抜け
気づけば、あの勉強会の会場へと吸い寄せられていた
近代的なビルの会場
椅子に腰を下ろしたその時
耳を裂くような大サイレンが鳴り響く
参加者たちの身体が歪み、溶け、
次々と屍人へと変貌していく
「俺も同じなのか」
絶望が胸を覆ったその時
ポケットの中の花びらが眩く光った
右手に取り出すと
炎となって掌に宿る
天へ突き上げると
その炎は宇理炎のように刃へと変わり
無数の火の粒が飛び散り
屍人たちを焼き尽くした
背後から、さらに重いサイレン
振り向けば
空を覆う巨大な蠅の化け物
その口から、呪いの音が放たれていた
「こいつがサイレンを鳴らしていたのか」
炎が唸りを上げ
刃の形を取り戻す
全身を駆け巡る熱に身を任せ
僕は跳躍し
蠅の怪物を両断した
炎に包まれた悲鳴が夜を裂き
ビル全体が崩れ落ちる
瓦礫を飛び越え
夜風を浴びながら外へ出る
残響のように、遠くでまだサイレンが響いていた
──思う
サイレンに導かれるままなら
楽な道もあっただろう
でも僕は禁断の実を食べなかった
呪われたループを断ち切った
右手には炎がある
宇理炎のように揺らめく光がある
それは「誰かの真似」ではなく
自分にしかできない道を照らす火だ
今、僕は
その炎を胸に抱き
まだ見ぬ未来へと歩いている
店舗名 |
大宮 萬天堂 |
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